大阪梅田のジュエリークラフトMAKIで、奈良から訪れた私たちはワックスを削って世界に一つの結婚指輪を手作りしました。
少し個性的な紫のメッキとブルーダイヤのデザインにこだわりながら、約2時間の制作と1ヵ月の完成までの時間を通して、ふたりの思い出がぎゅっと詰まった指輪になりました。
大阪で「少しだけ特別」な指輪を手作りしたくて

結婚指輪を選ぶにあたって、最初は大阪の百貨店やブランドショップも見て回りましたが、どこか「自分たちらしさ」が足りないと感じていました。
そんなとき「結婚指輪 手作り 大阪」で検索して見つけたのが、大阪梅田にあるジュエリークラフトMAKIのワックスコースでした。
奈良から大阪までは決して近くはありませんが、「紫のメッキを内側に入れられる」「ワックスで自由度の高いデザインができる」という説明に惹かれ、「これならふたりだけの指輪が作れるかもしれない」と、休みを合わせて予約を入れました。
ワックスを削る2時間はあっという間

当日、工房に入ると机の上には青いワックスのリングと工具が並び、「本当に自分たちで作れるのかな」という不安とワクワクが一気に押し寄せました。
スタッフさんからヤスリの持ち方や力の入れ具合を教わりながら、まずはワックスから指輪の形を切り出していきます。
思った以上にワックスは柔らかく、少し力を入れすぎると削れすぎてしまうので、最初の数分はお互いに無言で集中してしまいました。
それでも、夫の指輪はできるだけシンプルな甲丸形、妻の指輪はブルーダイヤを埋め込むことを想定しながら斜めに交差するラインを入れる、というゴールがはっきりしていたので、「ここはもう少し丸く」「ラインはこの角度で」と声を掛け合いながら少しずつ形が見えてきました。
こだわりのデザインと、作業中に感じたこと
夫の指輪は、仕事でも普段使いでも邪魔にならないよう、余計な装飾を省いたシンプルな甲丸形にしましたが、実際に自分の手で削ってみると、「シンプルほど難しい」という言葉の意味がよく分かりました。
ほんの少し削り方を間違えるだけで左右の厚みが変わってしまい、「既製品なら最初から完璧なのに」と苦笑いしつつも、最後には「この微妙な違いも、自分で作った証だ」と愛着に変わっていきました。
一方、妻の指輪は、ブルーダイヤを埋め込む位置をイメージしながら、表面に斜めの交差ラインをつけ、最終的にはつや消しに仕上げてもらう予定にしました。
ヤスリを動かすたびにラインの表情が変わるので、「ここまで攻めたら派手かな」「でも人と被らないデザインにしたい」と、鏡越しに着けたイメージを確認しながら微調整を重ねていく時間は、まさにデザインを“育てている”感覚でした。
紫のメッキが決め手になった理由

ふたりが特にこだわったのが、指輪の内側に施した紫のメッキです。
指輪を外したときだけふわっと覗く色にしたくて、いくつか色の候補を見せてもらった中から、落ち着きと個性を両立できる紫を選びました。
スタッフさんから「紫のメッキを結婚指輪に入れられるお店はあまり多くないですよ」と聞いたとき、「奈良から大阪まで来た甲斐があったね」と顔を見合わせました。
外側はプラチナ900の落ち着いた輝き、内側にはさりげなく鮮やかな紫――ふたりの普段の服装はシンプルですが、内側に好きな色を隠しているようなこのデザインは、自分たちの性格とも重なって感じられました。
プラチナ900に生まれ変わるまでの1ヵ月
ワックス原型が完成するまでの作業時間は、気が付けば約2時間ほど。
「まだ削っていたい」と名残惜しさを感じるくらい、最初の不安はどこかへ消え、ふたりとも夢中で手を動かしていました。
後日、このワックス原型をもとに職人さんの手でプラチナ900の結婚指輪へと鋳造してもらうため、完成までには約1ヵ月ほどかかると説明を受けました。
その1ヵ月は、ちょっとした待ち遠しさも含めて結婚準備の一部になり、「今ごろ工房で私たちの指輪が形になっているのかな」と、ふたりで指輪の話をする時間が自然と増えていきました。
手元に届いた「世界に一つ」の結婚指輪

受け取りの日、ケースを開けた瞬間、まず目に飛び込んできたのは、想像以上に滑らかで上品なプラチナの輝きでした。
写真で見慣れていた青いワックスのリングが、職人さんの技術によって、まるでブランドショップのショーケースに並んでいてもおかしくない完成度に変わっていることに、ふたりで思わず息をのみました。
指輪をそっと裏返すと、内側からのぞく紫のメッキが、光の加減でほんのりと表情を変えます。
夫は「仕事中は落ち着いた見た目だけど、外したときにだけ遊び心が見えるのがいい」と笑い、妻はブルーダイヤとつや消しの質感が作業中のイメージそのままに再現されていることに、「ここまで細かく仕上げてくれるんだ」と感激しました。
結婚指輪を「買う」から「一緒に作る」へ
今回、奈良から大阪梅田まで足を延ばして、ジュエリークラフトMAKIで結婚指輪を手作りしたことで感じたのは、「指輪そのもの」以上に「作る時間」への愛着です。
ワックスを手にしたときの緊張、ヤスリのリズムに慣れていく楽しさ、仕上がりをお互いに褒め合う瞬間――その一つひとつが、これから指輪を見るたびに思い出としてよみがえってくると感じています。
既製品の美しさや安心感も魅力ですが、「少しだけこだわったデザイン」「紫のメッキのような自分たちらしいアクセント」を叶えたいカップルには、大阪での手作り結婚指輪という選択肢はとてもおすすめです。
結婚準備の一日を“ものづくりデート”に変えてくれる体験として、ふたりで指輪を眺めるたびに「あの日、大阪まで行って本当によかったね」と話しています。