結婚指輪をワックスで作るための手順を動画で詳しく解説します。文章や写真だけではわかりにくい作業方法や手順を動画で解説することで大変わかりやすくなっています。
ワックスとはロウを固めたような素材で、指輪を作るためのワックスはチューブ状の形をしています。このチューブ状のワックスから指輪の原型を作ります。
1.切り取る目安線を引く
このワックスを作りたい指輪の幅で切り取ります。そのために切り取る目安線を罫書コンパスでラインをひきます。間違って余分な線がひけてしまっても外側の表面は削り取ってしまう部分なので心配はいりません。
2.ノコギリでワックスの切り出し
目安として引いた線ギリギリに切れれば一番良いのですが、ワックスは柔らかいのでまっすぐ切るのは難しく、歪んで切れてしまいがちです。
歪んで切れて指輪幅が足りたくなってしまうのを防ぐため、少し広めに切っていきます。
切り始めはノコの歯が滑ってずれてしまうので、力を入れず、軽くノコがワックスに乗っかってる程度の強さでちょこちょこと動かして溝を切ります。
溝が出来たら歯が横に滑ることは無いのですが、まっすぐ真下に切るのが難しく、切っていくうちにだんだん歪んで切れてしまう事が多いです。そのため、0.5cm~1cmぐらい深さの溝が切れたらワックスを少し回して別の場所を切ります。
この時、ワックスを回しすぎて切った溝からノコの歯が抜けてしまうと歯が横に滑ってしまうので溝に少し歯がかかっている程度に少しだけ回すのがコツです。
ワックスをぐるぐる回しながら全周に溝を切っていき、その溝を更に深くしていくように切ります。
下の写真はまっすぐきれいに切れた例です。最初に引いた目安線より少し広めに切れているのがわかります。
初心者の方が切った場合は断面はガタガタになることが多いです。広めに切っているので目安線の幅までヤスリで削って断面を平らに出来るのでご安心ください。

3.切った断面をヤスリで削る
ガタガタに切れてしまった断面でもヤスリで削って平らにし、希望の指輪幅になるまで削ります。この時、削りすぎるのを防ぐため、あまり力を入れず撫でるように削ります。
また、均等に削れるようにワックスを回しながら削る位置を変えながら削ると平らにきれいに削れます。
4.内側を削ってサイズ合わせ
リングリーマーという道具を使ってワックスの穴を広げて希望の指輪サイズに削ります。
リーマーは回す方向によって削れる方向が決まっているので逆回転しないように気を付けて回します。あまり奥に突っ込んで無理やり回すと内側がガタガタになってしまうので回しにくいなと思ったら少し抜いて軽く回せる位置で回します。
リーマーを回さず、指輪を回しても削れますが、リーマーを回した方が早く削れます。
5.余分な厚みを削る
サイズが合わせられたら外側の余分な厚みを削って、適正な厚みに仕上げます。
擦り板と呼ばれる木の上でヤスリを使って周りを削ります。どのくらいの厚みになるまで削れば良いか、目安線を引いていますのでこの線ギリギリになるまで削ります。甲丸形に仕上げる場合は当工房の職人が仕上げて完成です。
下の写真は外側の余分な厚みを削る前です。

余分な厚みを削って適正な厚みになった原型です。

表面を滑らかな甲丸形に仕上げればシンプルな甲丸型の結婚指輪の原型が完成です。

6.指輪の表面に模様を削る
指輪の表面に溝を彫る、テクスチャーなどを入れる場合の作業方法です。
模様、溝を彫るなどする場合はマジック等で下書きを入れて模様の大きさや溝の長さなどを確認し、下書き通りにヤスリで削ります。ヤスリの構造上、向こう側へ押す方向に動かすと削りやすいです。削る溝が長い場合は真ん中から向こう側へ削り、手前を削る場合は指輪をひっくり返して同じように向こう側に向かって溝を伸ばすと綺麗に削れます。
表面にいびつなテクスチャーを入れる場合は、ヤスリの削り跡を模様にしたり、ハンドモーターで表面を凸凹にしたりします。ハンドモーターを使った場合は先にボール型のヤスリを取り付け表面をランダムに削ります。細かい模様にしたり、荒い模様にしたり自由に出来るので自分の好みになるように削ります。
動画で見る指輪ワックス原型を作る方法まとめ
これまでの動画を連続で視聴できるように1本の動画にまとめましたのでご覧ください。動きのある作業が見られるのでワックス作業のコツが良くわかります。
結婚指輪の手作りをご検討の方は是非参考にしてください。